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綜説
Angiogenesis (血管新生機構)—生体顕微鏡下の観察と血管新生誘発因子について
ANGIOGENESIS : ITS IN VIVO MICROSCOPIC OBSERVATION AND FACTORS INDUCING ANGIOGENESIS.
西岡 清
1
Kiyoshi NISHIOKA
1
1関西医科大学皮膚科
1Department of Dermatology, Kansai Medical School
pp.267-272
発行日 1976年4月1日
Published Date 1976/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201571
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胎生期の組織あるいは損傷部組織で,血管新生が認められることは衆知の事実となつている.このような血管新生の機構(Angiogenesis)にはじめてメスが加えられたのは,18世紀の中頃である.Duhamel1)が,鶏雛の脚を折り,化骨形成が見られた時点で,脚の軟部組織を除去しても,大腿動脈から注入された色素が趾尖に迄行きわたることを観察したことにはじまつている.彼は,切断された血管の断端が,たがいに延長し,端々吻合が形成されると考えた.これに対し,Hunter2)は,端々吻合のほかに,既存血管とは別個に血管が新生され,切断端間を連絡すると考えた.続いて,血管新生様式についての仮説が,種々提出されたが,結論を得るには,Meyer3)の観察を待つ必要があつた.彼は,既存血管から発芽(Sprouting)するようにして新生血管が形成され,動脈あるいは静脈に分化することを明らかにし,現在の血管新生機構に対する考え方の先鞭をつけた.
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