Japanese
English
原著
本邦における疣贅様表皮発育異常症の臨床疫学
CLINICAL EPIDEMIOLOGY OF EPIDERMODYSPLASIA VERRUCIFORMIS IN JAPAN
筏 淳二
1
,
松木 正義
1
,
沖 守生
1
Junji IKADA
1
,
Masayoshi MATSUKI
1
,
Morio OKI
1
1京都府立医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.365-369
発行日 1975年5月1日
Published Date 1975/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201427
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汎発性疣贅症を含めた疣贅様表皮発育異常症の本邦例を文献から集めて,腫瘍の有無,疣の分布範囲に基づき腫瘍型,全身型,限局型に分類した.あわせて当科外来を訪れた扁平疣贅例を集計した.その結果,疣を全身に汎発し,かつ男では幼時に初発するほど,後に皮膚腫瘍を生じやすく,そのうち癌は一般皮膚癌に比べて若年に併発した.性比,発症年齢分布,平均発症年齢,平均罹患期間は腫瘍型,全身型,限局型,扁平疣贅の順に逐次推移した.そこで本症と扁平疣贅の関係は断続的でなく,全身型と扁平疣贅の間を限局型が橋渡しすると考えた.そして疫学的属性の推移は同一ないし近縁ウイルスに対する宿主感受性の相違に基づくと推測した.一方,本症と疣贅群の間には腫瘍転換,遺伝的背景,経過に差異がある.以上のことから本症をslow virus infectionとする考えを述べた.
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