Japanese
English
薬剤
2,3皮膚腫瘍に対するNeocarzinostatin(NCS)の治験
THE TREATMENT OF SKIN TUMORS with NEOCARZINOSTATIN (NCS)
石原 和之
1
,
小松 遵至
1
,
柳田 英夫
1
Kazuyuki ISHIHARA
1
,
Noriyuki KOMATSU
1
,
Hideo YANAGIDA
1
1国立がんセンター
1Department of Dermatology, National Cancer Center Hospital
pp.155-160
発行日 1975年2月1日
Published Date 1975/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201398
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高分子制癌抗生物質であるネオカルチノスタチン(Neocarzinostatin,以下NCSと略)は仙台市の土壤から採取したStreptomyces carzinostaticusの培養沪液より得られたものである.分子量10700で酸性を示し,石田によれば,18種類109個のアミノ酸が得られるといわれる.NCSの制癌性が証明できた腫瘍は,Ehrlich腹水癌,Sarcoma腹水系,SN-36,MH134などで,またSarcoma180の固形癌に対し静注でも有効であつたといわれる,その作用機序はHela細胞とSarcinaluteaを用いて検討され,DNA合成の特異な阻害作用と細胞分裂阻害作用にあるといわれる.また,NCSの体内分布では藤田の研究があり,種々の実験より腎,皮膚,胃,肺などにかなり高度に発見されている.かかる皮膚に分布のあることより皮膚腫瘍に効果があることが予測され2,3治験を試みた.対象とした皮膚腫瘍は疣贅,有棘細胞がん,基底細胞がん,汗腺がん,悪性黒色腫などである.
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