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講座
皮膚癌の治療(4)—化学療法
THE TREATMENT OF THE SKIN CANCER, PART (4):CANCER CHEMOTHERAPY.
石原 和之
1
,
柳田 英夫
1
Kazuyuki ISHIHARA
1
,
Hideo YANAGIDA
1
1国立がんセンター皮膚科
1Department of Dermatology, National Cancer Center Hospital
pp.895-900
発行日 1973年10月1日
Published Date 1973/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201224
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抗腫瘍薬の歴史は古く,1973年colchicineが登場し,次いで毒ガスであるyperiteを経てnitrogen mustard〔methyl-bis(2-chlorocthyl)amine hydrochloride〕がとり上げられ,1942年Gilman,Philipsらにより悪性淋巴腫にその効果が確かめられた.nitrogen mustardはアルキル化剤で,細胞構成物質に反応してアルキル化反応を行なうもので,かかるものをbiological alkylatingagentといわれ,その作用機序は直接DNA,殊にその構成塩基へのアルキル化反応がおこり,DNAの自然の立体構造にひずみを生じたり,あるいは断裂をおこしてその複製を阻害したりすると考えられている.現在一般に考えられている抗腫瘍剤を列記すると上記の他に代謝拮抗剤(me-tabolite antagonist……腫瘍細胞の代謝に必要なcoenzymeまたはsubstrateに類似する構造をもつ物質をもつて競合させ,代謝反応の過程を阻害するもの),植物成分Calkaloids and other plantconstituents),制癌抗生物質,その他に分けることが出来る.この細目に関しては表1並びに表2に一括した.この様に抗癌剤の種類は極めて多く,また夫々複雑な作用機序を有する.
また,これらの抗癌剤が単独ではなく,しばしば併用されることにより効果がより高められるという報告も多い.
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