Japanese
English
原著
腹部大動脈瘤を伴つたLassueur-Graham Little症候群
LASSUEUR-GRAHAM LITTLE SYNDROME ASSOCIATED WITH ANEURYSMA OF ABDOMINAL AORTA
岡本 昭二
1
,
宮内 好正
2
,
香西 襄
2
Shoji OKAMOTO
1
,
Yoshimasa MIYAUCHI
2
,
Noboru KOSAI
2
1千葉大学医学部皮膚科学教室
2千葉大学医学部第1外科学教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Chiba University
2Department of Surgery, Faculty of Medicine, Chiba University
pp.837-844
発行日 1973年10月1日
Published Date 1973/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201214
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18歳,男.毛嚢一致性角化性丘疹,被髪頭部の脱毛斑,および腋毛・陰毛の発育不全を主訴として来院,皮膚所見は躯幹・四肢などに播種状のlichen spinulosus様皮疹,被髪頭部のpseudopelade様脱毛,および腋窩・陰部の非瘢痕性脱毛というLassueur-Graham Little症候群の3徴候をそなえていた.皮疹の組織像は腹部・腋窩では毛嚢性角化で,頭部脱毛斑では瘢痕性萎縮の所見を示した.2年後に腹部大動脈瘤のため,大動脈瘤摘出および再建術を受けた.大動脈壁の組織像には筋層および弾力線維層の断裂と消失を認めた.本症候群につき文献例を集めて検討すると,扁平苔癬ないしその異型に由来するものと,一種の毛嚢性角化症に由来するものがあり,本症例は後者に相当する.さらに,本報告例においては本症候群と腹部大動脈瘤が合併しているが,その理由は明らかでない.
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