Japanese
English
原著
汎発性膿疱性乾癬の2例
TWO CASES OF GENERALIZED PUSTULAR PSORIASIS
斎藤 信也
1
,
三浦 隆
1
,
秋葉 弘
1
Nobuya SAITO
1
,
Takashi MIURA
1
,
Hiroshi AKIRA
1
1東北大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
pp.233-240
発行日 1973年3月1日
Published Date 1973/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201118
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第1例:27歳,女.18歳で初発し長年副腎皮質ホルモン剤(副皮ホ)の全身投与をうけた.紅皮症となり当科に入院.メソトレキセート内服により軽快したが,まもなく尋常性乾癬に典型的な紅斑局面が発生.ついで全身に膿疱が多発し全身症状を伴つた.その後時々全身に膿疱が汎発している.
第2例:48歳,男.紅斑発生数カ月後副皮ホの投与をうけ,その直後全身に拡大.副皮ホの減量により増悪し,全身に膿疱の汎発を繰返した.初発より約2年後死亡.両例とも膿疱は無菌的でKogojiの海綿状膿疱であつた.膿疱は短期間で乾燥し,鱗屑縁を残して唐草模様状を呈した.
汎発性膿疱性乾癬について文献的に他の膿疱性疾患との関係,病型,原因について考察し,本症には臨床的に2型ありとする説を支持した.誘因として副皮ホを強調し,乾癬に対する副皮ホの全身投与は禁忌であることを警告した.
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