Japanese
English
原著
襁褓皮膚炎に生じたKaposi肉腫様肉芽腫
KAPOSI'S SARCOMA-LIKE GRANULOMA ARISING ON DIAPER DERMATITIS
中安 清
1
,
上田 恵一
1
,
高石 喜次
1
,
外松 茂太郎
1
Kiyoshi NAKAYASU
1
,
Keiichi UYEDA
1
,
Yoshitsugu TAKAISHI
1
,
Shigetaro SOTOMATSU
1
1京都府立医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.157-162
発行日 1973年2月1日
Published Date 1973/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201107
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襁褓皮膚炎の病変部に生じたKaposi肉腫様肉芽腫の6例を報告し,Kaposi肉腫およびGranuloma glutaeale infantumとの異同について述べた.
本症は,臨床症状では発生年齢が乳児に限られ,部位が襁褓皮膚炎に一致し,経過は比較的に短かく,再発もなく,組織学的にKaposi肉腫の肉芽腫期とほとんど区別できないが,肉腫様変化をみない点で異なつていた.またGranuloma glutaeale infantumとは発生部位が殿部以外にもみられ,組織学的に著明な好中球の浸潤と膿瘍形成を除いてはほぼ一致していた.
本症の発症病因は不明であるが,襁褓の着用,襁褓皮膚炎ならびに使用した外用剤などが,本症の発症になんらかの誘因となつていると思われ,なお全例ビタミンK1によく反応した.
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