Japanese
English
綜説
正常人上皮の角化
KERATINIZATION IN NORMAL HUMAN EPIDERMIS
宮崎 寛明
1
MIYAZAKI HIROAKI
1
1順天堂大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Juntendo University
pp.105-110
発行日 1973年2月1日
Published Date 1973/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201099
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角化(Keratinization)とは上皮細胞の持つ最も重要な機能である.上皮基底細胞は分裂により有棘細胞をつくる.有棘細胞は上方に赴くにつれて,次第に皮膚表面に対して楕円形に形を変えながら,顆粒細胞に変り,遂に死滅して核その他の細胞内構造を失い,ケラチンでみたされた扁平な角質細胞に変化する.光学顕微鏡で観察すれば,最後の顆粒層から角層への移行が,きわめて急激唐突な変化として目にうつる.しかしながら角化は基底細胞内からすでに始まり,上皮の下方から上方へ向うゆるやかな細胞の流れの中に,次第に完熟して行く一つの分化過程であるといえる.
以下電子顕微鏡レベルでの角化について大体を述べることとする.
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