Japanese
English
原著
実験的DNCB接触皮膚炎における放射性コルチコステロイド軟膏の経皮吸収について
STUDIES ON PERCUTANEOUS ABSORPTION OF CORTICOSTEROID TO DNCB SENSITIZED GUINEA PIG SKIN
清水 正之
1
Masayuki SHIMIZU
1
1三重県立大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Mie Prefectural University School of Medicine
pp.45-51
発行日 1973年1月1日
Published Date 1973/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201092
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DNBC感作によるモルモットに対して,0.25%,0.1%DNCBアルコール溶液0.05mlを腹部皮膚に滴下し,惹起反応をおこない,この被検部に12時間後より,0.025%放射性fluocinolon acctonideを含有する油脂性軟膏と乳剤性軟膏を塗布した.塗布6時間後,12時間後,36時間後に皮膚生検し,組織学的に表皮湿疹反応部位のコ剤の経皮吸収の状態について検討した.
乳剤性軟膏塗布ではコ剤塗布6時間後に,経表皮的には角質屑より,一部有棘層へ,経毛嚢的には毛嚢壁をこえて,真皮結合織内に感光顆粒の存在をみとめた.12時間後には角質層とその直下の真皮浅層に感光顆粒をみとめ,第2のbarrierが表皮湿疹反応により破壊されたため,角質層に進入したコ剤はすみやかに有棘層をこえて,真皮に到達すると推定できる所見をえた.しかしコ剤の表皮吸収量は少ないと考えられる.一方油脂性軟膏ではコ剤は多く経毛嚢的に進入したと思われる部分でも,なお表皮性毛嚢壁にとどまる所見をえたにまた正常皮膚にコ剤塗布後惹起反応を施行した群では,コ剤は表皮内に主つたくみとめず,モルモット皮膚でコ剤塗布後惹起反応阻止効果をみようとするこころみは困難であると考えられる所見をえた.
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