Japanese
English
特集 小児の皮膚疾患
種痘疹の問題点
PROBLEMS IN VACCINIA
野口 義圀
1
,
千葉 紀子
1
,
内山 光明
1
Yoshikuni NOGUCHI
1
,
Toshiko CHIBA
1
,
Mitsuaki UCHIYAMA
1
1横浜市立大学医学部皮膚科教室
1Yokohama University School of Medicine, Department of Dermatology, Yokohama
pp.1355-1367
発行日 1971年12月15日
Published Date 1971/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200912
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痘瘡の予防法として,種痘(Jennerian va-ccination)は効果的であり安全なものとながく信じられてきた。おそらくその予防効果について疑問をもつ者は少なく,むしろ,いわゆる生ワクによる免疫の草分けとして高く評価されているものと思われる。
種痘が安全であるというイメージがこわれたのは,昭和45年夏種痘による事故が多発し,これが種痘禍として社会問題化してからのことである。種痘の副作用に対しては,痘苗の改良,いわゆる特効薬としてのVIG (vaccinia immune globulin)およびマルボラン(Marboran)の輸入,第Ⅰ期種痘年齢の暫定的修正などの対策が示された。しかし,これらの施策はあくまでも対症的なものであり,なぜ種痘の副作用が起こるかという本質的な問題が忘れられている。
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