Japanese
English
原著
続発性(偶発性)種痘疹
ACCIDENTAL VACCINIA
境 繁雄
1
,
道部 秉
1
,
工藤 素彦
1
,
赤坂 徹
2
,
工藤 真生
2
Shigeo SAKAI
1
,
Mamoru MICHIBE
1
,
Motohike KUDO
1
,
Toru AKASAKA
2
,
Mataka KUDO
2
1弘前大学医学部皮膚科教室
2弘前大学医学部小児科教室
1Department of Dermatology, Faculty of Medicine, Hirosaki University
2Department of Pediatrics, of Medicine, Hirosaki University
pp.405-410
発行日 1973年5月1日
Published Date 1973/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201147
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9カ月の女児.今年2月16日,兄が第1回種痘を受け,1週間後善感と判定された.3月7日より女児の下顎に皮疹が出現,拡大し,嘔吐,高熱などにより受診.初診時,下顎から両頬部に痂皮を伴う不規則な潰瘍と,周辺に臍窩を伴なう水疱,膿疱が多発に体温は39.5℃で,元気がない.組織所見は表皮内水疱ないし膿疱形成があり,中央の表皮は壊死.水疱の辺縁に網状変性がみられる.表皮,真皮には密な細胞浸潤がみられる.一般検査成績では特に異常ない.VIG,抗生物質,補液等で治療し,入院3日目より全身状態の改善,皮疹の縮小をみ,入院23日後に瘢痕治癒した.母親の下顎,右肘関節部にも水疱があり,組織所見は同様である.女児の水疱よりワクチニアウイルスを分離した.男児の種痘部より妹へ,さらに母親に接触伝染したものと考えられる.種痘副作用の実態,対策の現状などについて文献的考察を加えた.
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