印象記
日本皮膚科学会第21回西日本連合地方会印象記
谷奥 喜平
1
1岡山大学
pp.288-290
発行日 1970年3月1日
Published Date 1970/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200635
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本年の西日本連合地方会は11月8,9日の両日にわたつて長崎大学医学部記念講堂で大学紛争というイメージとは別世界の様な静けさの中で,充分な討論が行なわれ,無事に終了した。参加人員は特に多いということはないが,本来の学会の名に相応しい会合であった。
この両日の学会の印象記を記するに際してはまず前日の7日午後6時からグランドホテルで行なわれた地方委員会の感想を述べねばならない。1つの会を運営していく上では規則,会則,ルールは大切であるが,西日本連合地方会,ひいては日本皮膚科学会でも余りにも形式のみにとらわれ,評議員,理事の選出法がどうとか,学会の運営法がどうとかという公式論にとらわれ過ぎていないだろうか?学会の本質,学問というものを忘れてはいないだろうか?現在の定款を変更せず,社団法人としての性格から考えれば,現在の方法と余り変つた考え方はないのではないだろうか?私は日本皮膚科学会を研究会グループ(研究部門)と研修会グループ(臨床部門)とに2大別し,前者では基礎研究,臨床研究を主とし,現在の日本におけるその方面の最高のレベルの研究の発表,討論の場であるようにし,後者の研修会(皮膚科部会)では卒業研修,補修教育,教育講演,健保の問題,スライド供覧,臨床症例の検討等を取り扱う医師会的性格のものとし,両部会にはそれぞれ理事,評議員を置いて,その会の性格に従つて運営してはいかがかと考えている。
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