Japanese
English
綜説
皮膚疾患の放射線治療
RADIOTHERAPY OF SKIN DISEASES
高橋 信次
1
,
伴 和友
1
Shinzi TAKAHASHI
1
,
Kazutomo BAN
1
1名古屋大学医学部放射線医学教室
1Department of Radiology, School of Medicine, Nagoya University
pp.1167-1174
発行日 1968年11月1日
Published Date 1968/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200422
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I.緒言
皮膚に対する放射線治療の歴史は他疾患に対するそれに比べて最も古い。Röntgen教授のX線発見の翌年にはすでにその報告が行なわれているくらいである。本邦においてもX線の治療は始めて,土肥,遠山などにより皮膚疾患に対して行なわれた。これは皮膚疾患によつてはX線によく反応するものがあり,しかもそれが視診で容易に観察されたからであろう。しかし一方,X線障害が照射の適切をあやまると無視できないことが次第に明瞭になつてきた8)12)13)16)17)18)19)。他方,照射の能率をあげるために,新しい機器も開発されて,いろいろな線質の放射線を使用する事ができるようになつて来た。
その結果,皮膚疾患に放射線照射を行なうためには,放射線に対する物理学的,生物学的知識の理解が要請されるようになつてきた。それでいま,これらの観点から皮膚疾患の放射線治療を考えてみることにしよう。
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