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第26回American Academy of Dermatology年次総会は,シカゴPalmer Houseにおいて,Dr. C. S. Livingoodを会長として12月2日より6日間,約2,000人の会員を集めて,催された。例年なら,雪が見られるとのことであつたが,今冬は暖くオーバー無しで,街のレストラン,カフエテリアに食事に行ける程であつた。クリスマスの近ずいた街は,美しく飾られ,教会の聖歌隊を,街角にくり出して,宣教している光景も見られた。会場のPalmer Houseのあるところは,down townの中心部であるので昼間は,買物の人々で,歩道は満たされ,夜は,食事に出かけた家族連れで,賑かであり,さすが,アメリカ北部の中心であると感じられた。
御承知の方も多いと思いますが,このAmerican Academy of Dermatologyは,教育を主とした学会で,レジデントから開業医を含めた皮膚科医のためのSpecial lectureがあり,これにはHistopathology,Radiation therapy,Fundamentals of Cutaneous Allergy and Immunology,Structure and Function of the Skin,Cutaneous Surgery,Advances in Biological Sciences in Relation to Dermatology,MicrobiologyそれにMedical Writingと広範囲でありGrenzgebietから医学論文の書き方等についても,細かい指導が得られることになつている。講師には,その領域における一流の人々が当るわけであるが,中にはいたずらに時間をとるのみにて,要領を得ない講師もあつたとの不平を聞きました。筆者は,Advances in Biological Sciences in Relation to Deromatologyを聴講しました。皮膚科学におけるRescarch ToolsとしてChromatographic Techniquesでは,ガス,液体,ペーパー各クロマトグラフイーについての概論。Fluorescence Microscopyが螢光抗体に用いられること,その実際例のスライド供覧。AutoradiographyのHistology及びElectronrnicroscopyへの利用,講師はDr. Epsteinで,安価に出来ることを強調していた。Epidermal Cell Cultureについては一般の組織培養手技の常識を披露したにとどまり,電子顕微鏡についても,routineのことについて述べたあと,negativestain,shadowingが皮膚科領域においても用いられようと,簡単に概説しただけであつた。
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