トピックス
AAO 2017[American Academy of Ophthalmology]
加藤 弘明
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科視覚機能再生外科学
pp.26-27
発行日 2018年4月25日
Published Date 2018/4/25
DOI https://doi.org/10.34449/J0042.13.01_0026-0027
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涙液の異常が視機能に影響を与えうることについては,ドライアイ患者を対象とした多くの報告がなされており,その評価方法として,トポグラフィ1),tear stability analysis system(TSAS)2),実用視力3),高次収差解析4)-7)が挙げられる。本発表の演者は,高次収差解析による視機能評価の報告を多く行っており,正常眼を対象にして,波面センサーを用いて開瞼後から1秒ごとに連続して高次収差を測定し,開瞼後の高次収差の時間変化が,「安定型」(瞬目後10秒間ほぼ安定しているパターン),「動揺型」(増減傾向はないが変動がみられるパターン),「のこぎり型」(瞬目のたびに値が増加するパターン)に分類されることを報告している5)。また,同様にドライアイを対象とした検討も行っており,涙液層破壊時間(tear film breakup time:BUT)短縮型ドライアイでは「のこぎり型」が,涙液減少型ドライアイでは「高値安定型」(瞬目後の高次収差の値が高値のままで安定し,増減傾向がみられないパターン)がみられ6),涙点プラグ挿入術後のドライアイ眼では,「逆のこぎり型」(高次収差の値が瞬目後数秒でピークを示し,その後徐々に低下するパターン)がみられることを報告している7)。
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