Japanese
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特集 皮膚疾患の電子顕微鏡像
単純性血管腫の電子顕微鏡的研究
AN ELECTRON MICROSCOPIC STUDIES OF HEMANGIOMA SIMPLEX
大橋 勝
1
,
増田 三千男
1
Masaru OHASHI
1
,
Michio MASUDA
1
1名古屋大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology Nagoya University School of Medicine
pp.423-429
発行日 1967年3月20日
Published Date 1967/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412200135
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I.緒言
血管腫の分類は一般にLever1),山碕2)の3型分類が行なわれている。すなわち,(a)単純性血管腫(ブドウ酒様血管腫,port-wine nevus)。皮膚面より隆起しない毛細血管拡張性のもの。(b)苺状血管腫(strawberry mark)・皮膚面より隆起し鮮紅色紫紅色で苺状にみえる。組織学的には毛細血管の増殖著明で,その内皮細胞は数層に肥厚している。通常数年以内に自然に退縮する。(c)海綿状血管腫(angioma cavernosum)。深在性ないし皮下血管腫に相当し,組織学的には薄い一層の内皮細胞よりなり,外皮細胞(perizy-ten)の著明に増殖しているもの。以上に分類される。
単純性血管腫の組織学的所見については多くの文献がある。しかしながら血管内皮細胞については,その細胞が小さいため光顕においては明らかになしえないのである。われわれはかかる点から電顕的観察によってその構造を明らかにしたいと思う。文献的には電子顕微鏡による研究の報告は未だこれを見ない。
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