原著
子宮内手術操作後に顕在化するクラミジア感染症
宮内 文久
1
,
大塚 恭一
1
,
南條 和也
1
1愛媛労災病院産婦人科
pp.965-970
発行日 2007年7月10日
Published Date 2007/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101429
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
子宮内容清掃術などの術後に発生する子宮内膜炎,子宮付属器炎は,患者のみならず手術医にとっても大きな問題であり,今回はクラミジア感染症との関連について検討した.
2003年1月から2004年12月までの期間に子宮内の手術操作を受けたのち,発熱,下腹部痛,出血を訴えて受診した37例を検討対象とした.子宮内膜炎や子宮付属器炎などと診断したのは25例であり,残り12例は感染症とは考えられず経過観察が可能と診断した.感染症と診断した25例中16例はクラミジア単独感染症と,B群溶連菌や大腸菌などとの混合感染症を3例に認め,残り6例は細菌だけの感染症であった.クラミジア単独感染症16例の白血球数は6,870±670/mm3であり,CRP値は0.56±0.26 mg/dlであった.子宮内手術操作後の感染症の多くはそれまで潜行していたクラミジア感染症が顕在化したものであり,不潔な手術操作に由来する症例は少ないと考えた.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.