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文献紹介 腫瘍の遺伝子変異や耐性に左右されない悪性黒色腫治療
中村 善雄
1
1慶應義塾大学
pp.606
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104088
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BRAF阻害薬であるベムラフェニブが悪性黒色腫治療を劇的に変えたことは記憶に新しい.しかし,数か月後には他の変異が出現し耐性を獲得してしまうという問題点がある.悪性黒色腫を克服するためには遺伝子変異や耐性に左右されない治療が求められている.
今回著者らは悪性黒色腫で発現が低下している眼球関連転写因子(microphthalmia-associated transcription factor:MITF)の存在に注目した.MITFはメラニン産生に関与する遺伝子の分化を促進させ,逆にMITFが減少すると悪性黒色腫が未分化になり,浸潤性が高まることがわかっている.MITFを活性化することで悪性黒色腫が治療に反応する表現型にスイッチし,その特徴を抗悪性黒色腫療法に応用できるのではないかと考えた.
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