Japanese
English
症例報告
乳頭部色素性Paget病の1例
A case of mammary pigmented Paget's disease
須磨 朱里
1
,
安藤 純実
1
,
八幡 陽子
1
Akari SUMA
1
,
Yoshimi ANDO
1
,
Yoko YAHATA
1
1大阪警察病院皮膚科
1Division of Dermatology, Osaka Police Hospital, Osaka, Japan
キーワード:
色素性Paget病
,
乳頭部
,
悪性黒色腫
,
ダーモスコピー
Keyword:
色素性Paget病
,
乳頭部
,
悪性黒色腫
,
ダーモスコピー
pp.626-630
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412104080
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要約 65歳,女性.初診1か月前に左乳頭部の色素斑を自覚した.左乳頭部に8mm大の黒褐色斑がありダーモスコピーでは辺縁にatypical pigment network,中央部にblue whitish veilと,白色構造物を認めた.悪性黒色腫との鑑別が困難であったため,生検を施行したところ,表皮内にメラニン顆粒を有する大型で胞体の明るい異型な核をもつ細胞が胞巣を形成しており,pigment blocade melanocyteも散見された.免疫染色でCEA,CK7陽性,HMB45,S100蛋白陰性でPaget病と診断した.黒褐色斑より2cm離して全切除を施行した.全切除標本では真皮乳管内に腫瘍細胞を認めた.通常の乳房Paget病と異なる乳頭部色素性Paget病の特徴,機序,およびダーモスコピー,組織学的所見について検討したところ,melanocyte colonizationといった特異な現象によって腫瘍の黒色化が生じ,悪性黒色腫との鑑別を難しくすると考えた.
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