Japanese
English
症例報告
超早産児に生じた腸性肢端皮膚炎の1例
A case of acrodermatitis enteropathica in a premature labor
中村 吏江
1
,
鼻岡 佳子
1
,
森本 謙一
1
,
辻 徹郎
2
Rie NAKAMURA
1
,
Keiko HANAOKA
1
,
Kenichi MORIMOTO
1
,
Tetsuro TSUJI
2
1尾道総合病院皮膚科
2尾道総合病院小児科
1Division of Dermatology,Onomichi General Hospital,Onomichi,Japan
2Division of Pediatrics,Onomichi General Hospital,Onomichi,Japan
キーワード:
超早産児
,
腸性肢端皮膚炎
,
亜鉛欠乏症
Keyword:
超早産児
,
腸性肢端皮膚炎
,
亜鉛欠乏症
pp.287-290
発行日 2010年4月1日
Published Date 2010/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102547
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要約 生後5か月,女児.妊娠(在胎)26週1日,730gで出生した超早産児であった.経口のみの栄養摂取が困難であり,出生後,中心静脈栄養を開始した.生後3か月で中心静脈栄養を中止し,母乳栄養のみとした.生後5か月より口囲を中心に紅色落屑性丘疹が出現した.外用治療に対する反応は悪く,難治であった.腸性肢端皮膚炎を疑い,血中亜鉛濃度を測定したところ,13μg/dlと低値であった.亜鉛の経口補充療法を行ったところ,約1週間で著明な改善がみられた.発症要因として,授乳期後半の母乳亜鉛濃度の生理的低下と,超早産児であり体内亜鉛含有量が少なかったこと,成長に伴う亜鉛の需要増大が挙げられた.
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