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増刊号特集 最近のトピックス2014 Clinical Dermatology 2014
5.皮膚科医のための臨床トピックス
水痘・帯状疱疹ヘルペスウイルス初感染の最近の新知見
Novel findings of varicella zoster virus primary infection
伊東 秀記
1,2
,
松尾 光馬
2
Hideki ITO
1,2
,
Koma MATSUO
2
1医療法人社団慈泰会立川皮膚科クリニック
2東京慈恵会医科大学皮膚科学
1Tachikawa Dermatology Clinic, Tachikawa, Japan
2Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
水痘・帯状疱疹ヘルペスウイルス初感染
,
SCIDhuマウス
,
STAT
,
サバイビン
Keyword:
水痘・帯状疱疹ヘルペスウイルス初感染
,
SCIDhuマウス
,
STAT
,
サバイビン
pp.139-142
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103987
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要約 水痘・帯状疱疹ヘルペスウイルス(varicella zoster virus:VZV)はヒトαヘルペス属の一種で水痘および帯状疱疹の原因ウイルスである.ヒトがこのウイルスに感染すると主に上気道粘膜に感染し,粘膜や局所リンパ節で増殖し,第一次ウイルス血症を起こした後に,肝,脾臓や所属リンパ節などで増殖し,リンパ球に感染している形で第二次ウイルス血症を起こし,真皮から表皮に達し,水疱性病変を形成すると考えられていた.近年のヒト皮膚移植SCIDhuマウスを用いた研究により,感染後,VZVは24時間以内に表皮に達し,感染巣ではINF-α,(活性型)リン酸化STAT1の発現を抑制し,周囲の細胞ではINF-α,リン酸化STAT1の発現は亢進している.また,VZVは感染細胞でSTAT3を活性化(リン酸化)させこのためにリン酸化STAT1の発現は抑制され,リン酸化STAT3はサバイビンの発現を亢進させVZVの複製を容易にすることが明らかになった.このためVZVは表皮に24時間以内に到達するが,病変形成には10~21日を要する.
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