Japanese
English
症例報告
急性B型肝炎に伴う血清病様症候群の1例
A case of serum sickness like syndrome associated with acute hepatitis B
佐伯 葉子
1
,
安藤 菜緒
1
,
岡島 加代子
1
,
佐藤 佐由里
1
,
堀江 義則
2
,
佐伯 秀久
3
,
伊東 慶悟
3
,
大槻 マミ太郎
4
Yoko SAEKI
1
,
Nao ANDOH
1
,
Kayoko OKAJIMA
1
,
Sayuri SATO
1
,
Yoshinori HORIE
2
,
Hidehisa SAEKI
3
,
Keigo ITO
3
,
Mamitaro OHTSUKI
4
1山王病院皮膚科
2山王病院内科
3東京慈恵会医科大学皮膚科
4自治医科大学皮膚科
1Division of Dermatology, Sanno Hospital, Tokyo, Japan
2Division of Internal Medicine, Sanno Hospital, Tokyo, Japan
3Department of Dermatology, The Jikei University School of Medicine, Tokyo, Japan
4Department of Dermatology, Jichi Medical University, Shimotsuke, Japan
キーワード:
B型肝炎
,
血清病様症候群
,
浸潤性紅斑
,
関節痛
Keyword:
B型肝炎
,
血清病様症候群
,
浸潤性紅斑
,
関節痛
pp.1007-1011
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103819
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要約 39歳,女性.初診の2日前より両手掌および両下腿から足背にかけて皮疹が出現し,2011年7月当科を受診した.なお同じ頃から関節痛も生じていた.両下腿から足背にかけて軽度浸潤を触れる紅色丘疹ないし小紅斑が散在し,両手掌基部と手指先にやや浮腫性の紅斑を認めた.血液検査でAST 90U/l,ALT 108U/lと上昇し,HBs抗原2,456COIと高値を示した.皮膚病理組織所見では表皮の一部に強い細胞間浮腫を認め,その周囲にリンパ球が浸潤していた.急性B型肝炎に伴う血清病様症候群と診断した.皮疹は無治療にて1週間後に自然消退した.その後さらに肝機能が悪化したため,エンテカビル1日1回0.5mg内服を開始したところ,1か月後に肝機能は正常化した.1983年以降に本邦の皮膚科領域から報告されたB型肝炎に伴う血清病様症候群の原著報告12例を解析した.皮膚症状の出現後さらに肝機能が悪化した例が10例あり,継続的な肝機能の観察が必要と考えた.
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