Japanese
English
症例報告
腸腰筋膿瘍に続発したleukocytoclastic vasculitisの1例
A case of leukocytoclastic vasculitis associated with iliopsoas abscess
加藤 円香
1
,
須藤 麻梨子
1
,
下田 容子
1
,
田子 修
1
,
永井 弥生
1
,
石川 治
1
Madoka KATO
1
,
Mariko SUTO
1
,
Yoko SHIMODA
1
,
Osamu TAGO
1
,
Yayoi NAGAI
1
,
Osamu ISHIKAWA
1
1群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学
1Department of Dermatology, Gunma University Graduate School of Medicine, Maebashi, Japan
キーワード:
leukocytoclastic vasculitis
,
Henoch-Schönlein purpura
,
腸腰筋膿瘍
Keyword:
leukocytoclastic vasculitis
,
Henoch-Schönlein purpura
,
腸腰筋膿瘍
pp.671-674
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103736
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要約 70歳,男性.脊柱管狭窄症術後より発熱,頭痛があった.前医で不明熱に対しプレドニゾロン(PSL)40mg内服を受けていた.PSL減量中に炎症反応の再上昇あり,血液培養で黄色ブドウ球菌を検出し,CTにて腸腰筋膿瘍を指摘された.その後,下腿に紫斑が出現したため当科を紹介され入院した.両下腿に米粒大までの浸潤を伴う紫斑が多発した.血液検査では好中球増多(5,767/μl),CRP上昇(1.93mg/dl)およびESR亢進(38mm/h)がみられたが,腎機能障害,血尿はなかった.病理組織学的には真皮浅層のleukocytoclastic vasculitis(LCV)がみられた.蛍光抗体直接法ではIgAの沈着はなかった.前医からのアンピシリンナトリウム4g/日約40日間の投与にて腸腰筋膿瘍が改善するとともに皮疹は消失した.LCVはしばしば感染に続発することが知られているが,膿瘍形成を伴うような例は稀である.特に担癌者,糖尿病,PSL内服中の患者では感染病巣の存在を念頭に画像を含めた検査が必要である.
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