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文献紹介 優性遺伝性の多発性自然治癒性扁平上皮腫はTGFBR1の変異によって起こる
福田 理紗
1
1慶應義塾大学
pp.430
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103679
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Multiple self-healing squamous epithelioma(MSSE)は,扁平上皮腫を多発性に生じる常染色体優性遺伝の疾患である.それぞれの腫瘍は数週間で急速に増殖した後,瘢痕を残し自然退縮する.今回,このMSSEの原因遺伝子としてTGFBR1が同定された.
まず,本症を有する11家系中の有病患者と第1親族を対象にlinkege studyを行ったところ,第9染色体の24.2Mbの範囲に原因遺伝子があることがわかった.次に,有病4家族と正常家族を対象に,24.2Mbの範囲とその周辺領域の全遺伝子のエクソンをすべてシークエンスしたところ,それぞれの家系でTGFBR1に独立した変異を認めた.さらに有病18家系においてTGFBR1に11の独立した単一対立遺伝子の変異を認め,TGFBR1変異がMSSEの原因であると結論づけた.
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