Japanese
English
症例報告
ネオアジュバント療法が奏効した多発リンパ節転移を伴った臀部Merkel細胞癌の1例
A case of Merkel cell carcinoma with multiple lymph node metastasis successfully treated by neoadjuvant thrapy
森 志朋
1
,
櫻井 英一
1
,
前田 文彦
1
,
高橋 和宏
1
,
赤坂 俊英
1
,
川崎 雄一郎
2
Shiho MORI
1
,
Eiichi SAKURAI
1
,
Fumihiko MAEDA
1
,
Kazuhiro TAKAHASHI
1
,
Toshihide AKASAKA
1
,
Yûichirou KAWASAKI
2
1岩手医科大学皮膚科学教室
2岩手県立二戸病院外科
1Department of Dermatology, Iwate Medical University, Morioka, Japan
2Division of Surgery, Iwate Prefectural Ninohe Hospital, Ninohe, Japan
キーワード:
Merkel細胞癌
,
リンパ節転移
,
NSE
,
CAV
,
ネオアジュバント療法
Keyword:
Merkel細胞癌
,
リンパ節転移
,
NSE
,
CAV
,
ネオアジュバント療法
pp.711-716
発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103387
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要約 72歳,男性.初診の約2か月前より右鼠径部の腫脹を自覚し近医を受診しCTを施行された.右内腸骨リンパ節腫脹があり外科に紹介された.リンパ節生検でMerkel細胞癌が疑われ当科を紹介受診した.臀部に皮下腫瘤があり,病理組織像は小型の異型な円形細胞からなり,免疫染色所見でサイトケラチン20,NSE,クロモグラニンAが陽性で,電顕所見でdense core granuleを有する分泌顆粒を認めMerkel細胞癌と診断した.PET-CTで両肺門集積,左総腸骨動脈分岐部,右鼠径・外腸骨動静脈周囲にリンパ節腫大があり広範なリンパ節郭清は困難と判断し,腫瘤切除とネオアジュバント療法としてシクロホスファミド・硫酸ビンクリスチン・塩酸ドキソルビシンによる多剤化学療法(CAV療法)を施行したところ,リンパ節はすべて縮小した.その後,鼠径リンパ節郭清術と放射線化学療法を施行した.さらにCAV療法を9クール行い,再発,転移なく経過している.自験例のように初診時既に原発巣の切除やリンパ節郭清術が困難な症例に対しては,ネオアジュバント療法および放射線療法,化学療法がきわめて有効であると思われる.
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