Japanese
English
症例報告
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)が有効であった悪性黒色腫の1例
A case of malignant melanoma successfully treated with boron neutron capture therapy
米澤 理雄
1
,
林 雄二郎
1
,
鈴木 実
2
Masao YONEZAWA
1
,
Yujiro HAYASHI
1
,
Minoru SUZUKI
2
1長浜赤十字病院皮膚科
2京都大学原子炉実験所附属粒子線腫瘍学研究センター中性子医療高度化研究部門
1Department of Dermatology,Nagahama Red Cross Hospital,Nagahama,Japan
2Research Division of Advanced Neutron Therapy,Particle Radiation Oncology Research Center,Research Reactor Institute,Kyoto University,Osaka,Japan
キーワード:
悪性黒色腫
,
ホウ素中性子捕捉療法
,
放射線治療後再発
Keyword:
悪性黒色腫
,
ホウ素中性子捕捉療法
,
放射線治療後再発
pp.633-638
発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103364
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要約 78歳,男性.上顎歯肉・口唇部悪性黒色腫と診断されたが根治術困難であったため,口唇上部の腫瘤を一部姑息的に切除し,術後放射線治療を施行した(計47Gy).その後DAV-Feron療法を1クール施行したが肝障害と熱発のため中断し,以後IFN β 300万単位局注を月1回施行していた.2009年12月より上顎歯肉部の結節が増大し,上顎義歯の動揺により摂食困難になりつつあったため,ホウ素中性子捕捉療法(boron neutron capture therapy:BNCT)を計画した.18F-BPA(boronophenylalanine)PETにて結節部のホウ素集積を評価したところ,集積は良好であり,2010年7月上旬BNCTを施行した.照射1週間後より口唇および口腔内のびらんが出現したものの,3週間で上皮化した.腫瘍は3か月以上にわたり縮小を続けた.BNCTは放射線治療後の再発例にも適応可能であり,腫瘍に選択的かつ十分な線量を照射することができる点で有用な治療法である.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.