Japanese
English
症例報告
経表皮性排除を認めたsubepidermal calcified noduleの1例
A case of subepidermal calcified nodules with transepidermal elimination
甲田 とも
1
,
笠井 弘子
1
,
木花 光
1
,
高橋 浩之
2
,
中村 宣子
3
,
朝倉 靖博
4
Tomo KOHTA
1
,
Hiroko KASAI
1
,
Akira KONOHANA
1
,
Hiroyuki TAKAHASHI
2
,
Noriko NAKAMURA
3
,
Yasuhiro ASAKURA
4
1済生会横浜市南部病院皮膚科
2済生会横浜市南部病院小児科
3済生会横浜市南部病院病理部
4朝倉整形外科医院
1Division of Dermatology,Saiseikai Yokohama City Nanbu Hospital,Yokohama,Japan
2Division of Pediatrics,Saiseikai Yokohama City Nanbu Hospital,Yokohama,Japan
3Division of Pathology,Saiseikai Yokohama City Nanbu Hospital,Yokohama,Japan
4Asakura Orthopedic Clinic,Yokohama,Japan
キーワード:
表皮下石灰化結節
,
経表皮性排除
Keyword:
表皮下石灰化結節
,
経表皮性排除
pp.1054-1058
発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103121
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要約 1歳,女児.数日前より両耳後部と左側頭部に粟粒大までの黄白色丘疹が多発した.高カルシウム血症,基礎疾患などはなく,病理組織像よりsubepidermal calcified nodule(SCN)と診断した.被髪頭部に白色粒状丘疹の新生が続き,これは鑷子で出血もなく容易に剝離できた.この病理像は層状の角化物に覆われた,真皮と同様の構造物で,顆粒状の石灰沈着を認め,経表皮性排除された後のSCNと判明した.初診後3か月で皮疹はすべて自然消退した.過去20年間の論文によるSCNの報告に自験例を含めた20例中,多発例は9例であったが,皮疹の新生,自然消退を繰り返した例は自験例のほかに1例のみであった.経表皮性排除は5例で認めたが,完全に排出された後の臨床像,病理組織像を捉えた例は自験例のみであり,真皮の構造が比較的保たれていたのが印象的であった.
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