Japanese
English
症例報告
深在性皮膚トリコスポロン症の1例
A case of deep-seated trichosporonosis of skin
町田 未央
1
,
定本 靖司
1
,
白石 研
1
,
佐々木 司郎
1
Mio MACHIDA
1
,
Yasushi SADAMOTO
1
,
Ken SHIRAISHI
1
,
Shiro SASAKI
1
1愛媛県立中央病院皮膚科
1Division of Dermatology,Ehime Prefectural Central Hospital,Ehime,Japan
キーワード:
深在性皮膚トリコスポロン症
,
Trichosporon mucoides
Keyword:
深在性皮膚トリコスポロン症
,
Trichosporon mucoides
pp.703-707
発行日 2011年8月1日
Published Date 2011/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412103028
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要約 60歳,男性.足白癬に対し自己流の治療をしていたところ,右3,4趾間に潰瘍を形成した.半年間近医で加療を受けたが拡大するため当科を紹介された.右3,4趾間から足底3趾内側,4趾内側にかけて,境界明瞭な黒色壊死を付着する潰瘍があり,緑色の浸出液を伴っていた.鏡検では真菌陰性,創部培養で緑膿菌が検出され,セフタジジム,メロペネムを使用したが潰瘍はさらに拡大した.生検のPAS染色,グロコット染色で皮下脂肪織内に菌糸と分節胞子を確認し,組織培養でTrichosporon mucoidesが検出されたことより深在性皮膚トリコスポロン症と診断した.イトラコナゾールの内服で潰瘍が縮小し,後日植皮術を行い完治した.トリコスポロンは日和見感染症や夏型過敏性肺炎の原因として有名であるが,非免疫抑制者の皮膚に病変を形成することは稀であり,若干の考察を加え報告する.
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