Japanese
English
臨床報告
右乳癌を契機に発見された無症候性左乳頭部腺腫の1例
Adenoma of the left nipple associated with mammary carcinoma of the right breast:a case report
松倉 史朗
1
,
黒木 信善
1
,
豊島 里志
2
Shiro MATSUKURA
1
1三菱化学株式会社黒崎事業所附属病院外科
2北九州市立医療センター病理
キーワード:
乳腺
,
乳頭部腫瘍
,
乳頭部腺腫
,
adenoma of the nipple
,
乳癌
Keyword:
乳腺
,
乳頭部腫瘍
,
乳頭部腺腫
,
adenoma of the nipple
,
乳癌
pp.1429-1433
発行日 2008年10月20日
Published Date 2008/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407102300
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はじめに
乳腺の乳頭部腺腫(adenoma of the nipple)は,1955年にJones1)によりflorid papillomatosis of the nippleの名称で初めて報告された乳頭部の良性病変である.わが国の乳癌取扱い規約2)では良性上皮性腫瘍に分類され「乳頭内または乳輪直下乳管内に発生する乳頭状ないしは充実性の腺腫」と記載されている.乳頭部腺腫は比較的稀な疾患で,実際に日常の臨床において遭遇する乳腺良性疾患のなかでも頻度は低い3~6).通常は乳頭部のびらん,潰瘍,血性乳頭分泌などの症状を呈することがPaget病と類似しており7,8),病理組織学的にも浸潤性乳管癌との鑑別が問題になる9,10).さらに,乳頭部腺腫が対側乳房の乳癌とともに並存することはきわめて稀である.今回,われわれは右乳癌を契機に発見された無症候性左乳頭部腺腫の1例を経験したので報告する.
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