Japanese
English
症例報告
右下肢の同一部位に5年を隔てて再発した線状苔癬
Lichen striatus recurring 5 years apart on the same site of the right lower extremity
井上 桐子
1
,
狩野 葉子
1
,
稲岡 峰幸
1
,
塩原 哲夫
1
Kiriko INOUE
1
,
Yoko KANO
1
,
Miyuki INAOKA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学附属医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kyorin University School of Medicine,Tokyo,Japan
キーワード:
線状苔癬
,
再発
,
Blaschko line
,
小児
Keyword:
線状苔癬
,
再発
,
Blaschko line
,
小児
pp.747-750
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102704
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要約 7歳,女児.1歳時に右足部から臀部に線状に配列する帽針頭大の淡紅褐色の丘疹が出現し,臨床的にBlaschko lineに沿って生じた線状苔癬(lichen striatus:LS)と診断した.発疹は16か月で消退したが,5年後の7歳時に同一部位に再発した.臨床的には紫紅褐色の米粒大丘疹であり,病理組織学的にはLSに合致していた.小児のLSを文献検索したところ,同一施設内での10~17年の調査期間における再発率は2~6%,再発までの最長期間は4年で,同一もしくは同側部位に再発しやすい傾向がみられた.しかしたとえ同一部位でも,自験例のように再発時の発疹の性状が初発時とかなり異なっている場合には,同一施設を受診しなければ再発と認識することは難しい.こうした小児におけるLSの再発を確認する困難さを考え合わせると,過去の統計は実際の再発率を反映していない可能性がある.今後はLSを経験した際には同一Blaschko line上の過去の発疹の有無を聴取する必要がある.
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