Japanese
English
症例報告
手指および口唇,口腔内に丘疹を生じた菊池病の1例
A case of Kikuchi's disease with erythematous papules on lips and fingers
板谷 利
1
,
笠井 麻希
1
,
村田 純子
1
,
加藤 直子
1
Satoshi ITAYA
1
,
Maki KASAI
1
,
Junko MURATA
1
,
Naoko KATO
1
1独立行政法人国立病院機構北海道がんセンター
1Department of Dermatology,National Hospital Organization Hokkaido Cancer Center,Sapporo,Japan
キーワード:
菊池病
,
紅色丘疹
,
単純性疱疹
Keyword:
菊池病
,
紅色丘疹
,
単純性疱疹
pp.696-699
発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102692
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要約 27歳,女性.既往歴に外陰部の再発性単純性疱疹を有する.初診の1年前から反復する頸部リンパ節腫脹を自覚していた.初診の1週間前から左手示指に紅色の有痛性丘疹が出現した.その後,37.9℃の発熱を伴う右頸部リンパ節腫脹と,口唇および口腔内に丘疹とびらんが出現した.さらに外陰部に単純性疱疹が再発した.頸部リンパ節の病理所見では核崩壊像を伴う細胞の壊死と,これらを貪食する組織球の浸潤を認め,菊池病と診断した.手指の丘疹は表皮細胞の個細胞壊死と基底層の液状変性,真皮の血管周囲に組織球の中程度の混在を伴うリンパ球を主体とする炎症性細胞浸潤を示し,菊池病の特異疹と判断した.口唇および口腔内の丘疹,および小びらんは菊池病の約10%程度に出現する口腔粘膜疹と考えられた.菊池病の原因としてヘルペスウイルス群の関与が推察されているが,自験例では血清抗体,DNA検索とも否定的な結果を得た.
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