Japanese
English
症例報告
11歳男児にみられた乳腺囊胞の1例
A case of unilateral galactocele occured in an 11-year-old boy
林 韻欣
1
,
秦 洋郎
1
,
斎藤 奈央
1
,
青柳 哲
1
,
芝木 晃彦
1
,
清水 宏
1
Inkin HAYASHI
1
,
Hiroo HATA
1
,
Nao SAITOU
1
,
Satoru AOYAGI
1
,
Akihiko SHIBAKI
1
,
Hiroshi SHIMIZU
1
1北海道大学大学院医学研究科皮膚科学分野
1Department of Dermatology,Hokkaido University Graduate School of Medicine,Sapporo,Japan
キーワード:
乳腺囊胞
,
男児
Keyword:
乳腺囊胞
,
男児
pp.585-588
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102667
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要約 11歳,男児.初診の約4か月前から右乳輪部の結節を自覚した.乳頭部を圧迫すると黄白色の液体分泌がみられ,徐々に増大したため,当科を受診した.結節は弾性硬で,下床との可動性は良好であった.超音波検査では,直径12.0×7.7mmの境界明瞭で低エコー域を示す囊腫様構築を表皮下に認め,内部に血流はみられなかった.病理組織像では,細長く蛇行した二層性の管腔周囲に,リンパ球,好酸球などの炎症細胞浸潤がみられ,一部に線維化を伴っていた.囊胞状に拡張した管腔の内腔には好酸性物質が充満し,立方状の腺上皮細胞では,断頭分泌像がみられた.エストロゲンおよびプロゲステロンレセプターは陰性であったが,CEAおよびmammaglobinは管腔の上皮細胞に陽性であった.以上のことより,乳腺囊胞と診断した.調べえた範囲では,男児における乳腺囊胞の報告例は本症例が本邦では初である.
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