Derm.2010
インフォームドコンセント
大塚 幹夫
1
1福島県立医科大学医学部皮膚科学講座
pp.151
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102613
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昨年秋から当院ではインフォームドコンセント(informed consent:IC)の整備が急ピッチで進められている.各診療科で作成したICの内容を,安全管理部を中心にしたワーキンググループがチェックし,不備があれば“ダメだし”を頂く.皮膚科診療でインフォームドコンセントが重要になるのは何と言っても腫瘍の手術や化学療法の承諾を得る際である.私が医師になったころは口頭で説明を行いながら「説明用紙」にメモ程度に走り書きし,病名と手術法が記載された手術承諾書の「手術に同意します」という欄に患者が名前を記載するだけという,いたって簡素なものであった.命に関わる疾患の治療をしようというのにそれではあまりに簡素過ぎると思い,腫瘍の病態,病期,治療の選択肢,予後にも触れるような内容を盛り込んだ説明書をあらかじめ準備するようにしたが,それでもA4判ワープロ書きで3枚程度であった.説明する内容はもちろんそれでは十分ではないので,ホワイトボードに説明のポイントや手術の図などを手書きしながら1時間くらいかけて説明していた.口頭での説明部分が多くなるため説明に至らない点が多くあったとは思うが,担当医の熱意は伝わっていたのではないかと思う.
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