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特集 最近のトピックス2010 Clinical Dermatology 2010
2. 皮膚疾患の病態
食物アレルギーの診療の手引き2008
Food Allergy Management Guideline 2008
海老澤 元宏
1
Motohiro EBISAWA
1
1国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部
1Clinical Research Center for Allergy and Rheumatology,National Hospital Organization Sagamihara National Hospital,Sagamihara,Japan
キーワード:
食物アレルギー
,
乳児アトピー性皮膚炎
,
プロバビリティカーブ
,
食物負荷試験
,
病診連携
Keyword:
食物アレルギー
,
乳児アトピー性皮膚炎
,
プロバビリティカーブ
,
食物負荷試験
,
病診連携
pp.64-68
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102576
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要約 小児の食物アレルギーの大多数は乳児アトピー性皮膚炎として発症する.乳児の食物アレルギーとアトピー性皮膚炎が合併していることが多い事実は疑う余地はないが,食物アレルギーにより湿疹が誘発されるかに関しては,日本だけではなく世界的にも皮膚科医と小児アレルギー専門医の間で議論がある.厚生労働科学研究班において作成された「食物アレルギーの診断の手引き2005(改訂版2008)」で皮膚科医と小児科医が討議して,それらを「食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎」と呼ぶことにし,対応方法を示したことは画期的なことであった.生後3か月以内にそう痒の強い顔面の湿疹として発症し,アトピー性皮膚炎への対応(スキンケアとステロイド外用療法)で改善しないケースや繰り返す場合に原因食物の関与を調べる必要がある.診断は乳児でも皮膚テストやIgE CAP RASTを参考にしたうえで食物除去試験・負荷試験(経母乳も含む)により行う.多抗原に感作が成立している例では専門施設に早期に紹介すべきである.
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