Japanese
English
症例報告
遺伝性腸性肢端皮膚炎の長期観察例
A Case of Acrodermatitis Enteropathica Observed for a Long Time
中沢 朗子
1
,
姉小路 公久
1
Akiko NAKAZAWA
1
,
Kinhisa ANEKOHJI
1
1東京警察病院皮膚科
1Department of Dermatology, Tokyo Police Hospital
キーワード:
亜鉛欠乏症
,
長期観察
,
副作用
,
妊娠
,
出産
Keyword:
亜鉛欠乏症
,
長期観察
,
副作用
,
妊娠
,
出産
pp.1133-1137
発行日 1992年12月1日
Published Date 1992/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900781
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27歳,女.乳児期に下痢,定型的発疹,脱毛で発症した遺伝性腸性肢端皮膚炎の1例.11歳までキノホルム,それ以後15年間硫酸亜鉛内服.硫酸亜鉛1日50mgでは,血清亜鉛値は20μg/dl前後まで下降し,再発疹を生ずる.最近8年間は硫酸亜鉛1日200mgを内服し,血清亜鉛値,アルカリフォスファターゼ値正常.再発疹,下痢,脱毛なく,硫酸亜鉛長期内服による副作用も認められない.近年亜鉛療法の定着によって,成人に達した症例が散見され,妊娠,出産に遭遇する可能性も出てきている.母体の亜鉛欠乏による胎児の奇形発生が示唆されており,今後の展望として遺伝性腸性肢端皮膚炎患者の妊娠,出産について考察した.
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