Japanese
English
今月の症例
ミルクアレルゲン除去ミルク単独哺育によるビオチン欠乏症の1例
A case of biotin deficiency fed with the formula for milk allergy
加瀬 貴美
1
,
森川 玲子
1
,
村本 文男
2
,
新飯田 裕一
3
Kimi KASE
1
,
Reiko MORIKAWA
1
,
Fumio MURAMOTO
2
,
Yuichi NIIDA
3
1恵み野皮膚科クリニック
2しのろ皮膚科医院
3北海道立子ども総合医療・療育センター特定機能周産期母子医療センター
1Megumino Dermatological Clinic,Eniwa,Japan
2Shinoro Dermatological Clinic,Sapporo,Japan
3Hokkaido Medical Center for Child Health and Rehabilitation,Sapporo,Japan
キーワード:
ビオチン
,
乳児用調整粉乳
,
開口部皮膚炎
,
肢端皮膚炎
,
乾癬様紅斑
Keyword:
ビオチン
,
乳児用調整粉乳
,
開口部皮膚炎
,
肢端皮膚炎
,
乾癬様紅斑
pp.716-719
発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102397
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要約 5か月,男児.生後4か月頃から口囲,頸部,腋窩,陰股部に紅斑が出現し始め,その後,眼瞼,軀幹,手指にも厚い鱗屑と小膿疱を伴う紅斑が広がった.頭髪は疎で,爪甲は脆く肥厚していた.臨床的に腸性肢端性皮膚炎に酷似していたが,血清亜鉛値は正常で,病理組織学的には乾癬様であった.患児が摂取していたミルク中にビオチンは含まれていなかったことからビオチン欠乏症と診断し,ビオチン2mg/日を投与したところ,内服開始2週後には劇的に改善した.ビオチンは,わが国においては食品衛生法の制約からいまだに乳児用調製粉乳に添加することができないのが現状である.法の整備が望まれる.
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