印象記
第108回日本皮膚科学会総会 印象記
吉良 正浩
1
1大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学皮膚科学
pp.612-614
発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412102373
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第108回日本皮膚科学会総会は平成21年4月24日から26日まで,福岡国際会議場・マリンメッセ福岡で開催された.全国的に寒の戻りで,外は少し肌寒かったが,元来暑がりの小生にとっては,過ごし良い天候であった.また,福岡(博多)は空港からの距離・時間が短く,大変便利な街である印象を持った.
古江増隆会頭(九州大学教授)のご挨拶で幕を開け,「What's New in Dermatology」のセッションで3名の先生方によるご講演を拝聴した.徳島大学 荒瀬誠治先生による「毛髪の科学・疾患」のご講演では,G蛋白質結合受容体P2RY5およびそれに関係するシグナルの異常により毛髪の異常が生じることや,マウス皮膚では創傷治癒後にWNTシグナルによって“毛包の新生(hair neogenesis)”が起こることなど,日本人研究者の仕事を中心に最新のトピックスをお話しいただいた.岐阜大学 北島康雄先生による「自己免疫水疱症」のご講演では,昨年大津で開催された「自己免疫性水疱症に関する国際シンポジウム」でのトピックスを概説され,天疱瘡の水疱形成機序における新しい研究成果等についてお教えいただいた.浜松医科大学 瀧川雅浩先生は昨年の「第5回アトピー性皮膚炎国際シンポジウム」での演題についてお話しされたが,患者教育とコメディカルとのコミュニケーションが特に重要であることを強調されていた.いずれのご講演も私にとっては日頃あまり勉強していない分野であり,大変役に立った.
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