Japanese
English
治療
表皮ターンオーバーの促進に基づく色素沈着の改善―アデノシン一リン酸二ナトリウムの肝斑に対する臨床効果
Improvement of hyperpigmentation based on accelerated epidermal turnover:Clinical effects of disodium adenosine monophosphate in patients with melasma
川島 眞
1
,
水野 惇子
2
,
村田 恭子
3
Makoto KAWASHIMA
1
,
Atsuko MIZUNO
2
,
Yasuko MURATA
3
1東京女子医科大学皮膚科学教室
2イデリア スキンクリニック代官山(現・有楽町皮膚科)
3医療法人社団 晴幸会エヌ・エスクリニック
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical University, Tokyo, Japan
2Iderea Skin Clinic Daikanyama, Tokyo, Japan(Yuraku-cho Clinic of Dermatology, Tokyo, Japan)
3Medical Corp. SEIKOUKAI New Medical Research System Clinic, Tokyo, Japan
キーワード:
アデノシン一リン酸二ナトリウム
,
肝斑
,
表皮ターンオーバー
,
表皮に蓄積したメラニンの排泄
Keyword:
アデノシン一リン酸二ナトリウム
,
肝斑
,
表皮ターンオーバー
,
表皮に蓄積したメラニンの排泄
pp.250-257
発行日 2008年3月1日
Published Date 2008/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101909
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要約 アデノシン一リン酸二ナトリウム(disodium adenosine monophosphate:AMP2Na)が表皮ターンオーバー(turnover:TO)促進効果を介して,加齢に伴い表皮に滞留しやすくなっているメラニンの排泄を促すとの新作用機序を証明すべく,肝斑を主訴とする27~60歳(平均年齢43.6歳)の女性27例にAMP2Naを3%配合した乳液を1日2回,16週間継続使用させた.表皮TO速度の指標となる角層細胞面積は,使用16週後には使用前と比較して有意に縮小した.皮膚の明るさの指標である皮膚明度L*値は,使用16週後には使用前に比べて有意に上昇した.また,医師の判定による全般改善度は,使用16週後において「やや改善」以上が92.3%(24/26)であった.以上より,AMP2Naを3%配合した乳液が表皮TO促進効果を介して表皮に滞留したメラニンを排泄する新しい作用機序により,色素沈着を改善することが示された.
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