Japanese
English
症例報告
偽腸閉塞症状に対して酢酸オクトレオチドが有効であった全身性強皮症の1例
A case of the successful management with octreotide in scleroderma patient with intestinal pseudo-obstruction
小林 万利子
1
,
鶴見 純也
1
,
川村 由美
1
,
濱崎 洋一郎
1
,
籏持 淳
1
,
山﨑 雙次
1
Mariko KOBAYASHI
1
,
Junya TSURUMI
1
,
Yumi KAWAMURA
1
,
Yoichiro HAMASAKI
1
,
Atsushi HATAMOCHI
1
,
Soji YAMAZAKI
1
1獨協医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Dokkyo Medical University School of Medicine,Tochigi,Japan
キーワード:
全身性強皮症
,
偽腸閉塞症状
,
酢酸オクトレオチド
Keyword:
全身性強皮症
,
偽腸閉塞症状
,
酢酸オクトレオチド
pp.707-710
発行日 2007年8月1日
Published Date 2007/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101745
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要約 56歳,女性.1995年にRaynaud現象,1996年に手指の皮膚硬化が出現し,同年11月に当科を受診した.抗Scl-70抗体陽性,皮膚生検所見などより全身性強皮症(diffuse type)と診断した.肺線維症,肺高血圧症もみられ,末梢循環改善薬,プレドニゾロン少量内服で治療していたが,2002年より腹部膨満感,腹痛など偽閉塞症状が出現し,以後数回にわたりイレウス管留置,絶食による保存的治療を受けたが消化器症状の軽快,悪化を繰り返していた.2005年5月より1日7~10回の下痢を伴う腹部膨満感と,それによる摂食障害で6kgの体重減少を認めた.偽腸閉塞と診断し,酢酸オクトレオチド50μg/日の連日皮下注射を施行したところ,下痢回数の減少および腹部膨満感などの自覚症状の改善をみた.全身性強皮症による偽腸閉塞に対して,酢酸オクトレオチド皮下投与は有効な治療法の1つであると考えられた.
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