Derm.2007
英語と環境因子
澤村 大輔
1
1弘前大学医学部皮膚科学教室
pp.137
発行日 2007年4月10日
Published Date 2007/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101658
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読者の皆さん方の多くも,英語で論文を書いたり発表したり,外来で外国人の患者さんとコミュニケーションを取ることに苦労したことがおありと思います.でも,最近の若い方は英語が上達したとつくづく思います.なかには本当に,native speakerのようにかっこよく喋る方もいます.最近,講演で聞いたところによると,言語の流暢さは,その言語を3歳までに,遅くとも6歳ぐらいに習得していないと確立されないとのことでした.私は,本物の英語に接したのが留学したときで,すでに30歳をすぎていましたので,自分の英語に流暢さがないのに納得できます.
私が留学したアメリカのラボは,特に人種のるつぼで,フィンランド人をボスに,アメリカ人,イギリス人,ドイツ人,フランス人,中国人,韓国人などなど,10種類以上の言語が飛び交うラボでした.私の観察では,だいたい来た当時は,みんな英語がうまくしゃべれません.しかし,なぜかヨーロッパの連中はすぐぺらぺらしゃべるようになり,だいたいとり残されるのがアジア系で,そのなかでも中国人の上達が早く,本当にだめなのが韓国人と日本人です.これは,ヨーロッパの言語はだいたいのルーツが同じであるし,主語の後に述語がすぐくる中国語を喋る中国人も学習しやすいのでしょう.ハングル語と日本語は述語が最後に来る構造で,脳がそのような思考に固定されると聞いたことがありますが,なるほどです.これも,私の英語が上達していない理由の一つでしょう.
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