症例
筋層内に浸潤した結節性筋膜炎の1 例
村山 喬之
1
,
緒方 大
1
,
里村 英恵
1
,
中村 晃一郎
1
,
倉持 朗
1
,
土田 哲也
1
1埼玉医科大学,皮膚科学教室(主任:土田哲也教授)
キーワード:
結節性筋膜炎
,
組織培養形態
,
MYH9‒USP6融合遺伝子
Keyword:
結節性筋膜炎
,
組織培養形態
,
MYH9‒USP6融合遺伝子
pp.2021-2024
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/hi.0000000406
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結節性筋膜炎は,筋膜,皮下脂肪組織,筋肉内に生じる線維芽細胞様細胞の反応性増殖と考えられているが,WHO 分類では,fibroblastic/myofibroblastictumors として扱われている。われわれは筋層内へ浸潤した結節性筋膜炎の症例を経験した。症例は24 歳女性,3 カ月前に左大腿皮下に腫瘤が出現した。MRI 所見で筋肉内浸潤が疑われた。生検の結果,粘液質を背景に,線維芽細胞が不規則に増殖し,腫瘍細胞はα-SMA 陽性,S‒100・CD34 陰性であった。結節性筋膜炎と診断し全摘術を施行した。腫瘍は周囲の筋層へ浸潤していた。病理組織学的に筋層への浸潤を伴った症例の報告はまれであり,悪性腫瘍との鑑別が困難である場合に,MYH9‒USP6 融合遺伝子の検索が有用となり得る。
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