Japanese
English
症例報告
ミトコンドリア遺伝子異常による糖尿病にみられた色素性痒疹様皮疹の1例
A case of maternaly inherited diabetes associated with prurigo pigmentosa like eruption
妹尾 明美
1
,
山崎 宏枝
1
,
米井 泰治
2
,
多田 譲治
3
Akemi SENO
1
,
Hiroe YAMAZAKI
1
,
Taiji YONEI
2
,
Jyoji TADA
3
1三豊総合病院皮膚科
2三豊総合病院内科
3岡山市立市民病院皮膚科
1Division of Dermatology,Mitoyo General Hospital
2Depertment of Internal Medicine,Mitoyo General Hospital
3Depertment of Dermatology,Okayama City Hospital
キーワード:
色素性痒疹
,
角層下膿疱
,
ミトコンドリア糖尿病
,
思春期発症
,
ミノマイシン
Keyword:
色素性痒疹
,
角層下膿疱
,
ミトコンドリア糖尿病
,
思春期発症
,
ミノマイシン
pp.683-686
発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101293
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19歳,女性.母親に35歳時発症ミトコンドリア糖尿病があった.高校生時の学校検診で低身長と難聴があり.1999年4月前胸,背部に網状の紅斑と色素沈着,乳房下に単房性膿疱を生じ,膿疱部の皮膚生検では角層下膿疱,組織好酸球症をみた.検査では血糖330mg/dlと高値,HbA1cは12.3%,尿中ケトン体4+でインスリン注射にて血糖コントロールを行った.皮疹に対してはミノマイシン100mgを投与し,著明に炎症がとれ濃褐色の色素沈着を残した.背部に多毛も混在した.発達知能検査にて言語性IQ80,動作性IQ59,全IQ66と低下を認めた.色素性痒疹は若い女性のダイエット時や糖尿病のケトーシスに合併すると言われるが,ミトコンドリア遺伝子異常による糖尿病との合併の報告はない.本例は色素性痒疹様であるが組織学的には異なっており,その機序は不明であるが色素性痒疹様皮疹として報告する.
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