Japanese
English
症例報告
HCV陽性肝細胞癌患者にみられた表在播種型汗孔角化症
Disseminated superficial porokeratosis in a patient with hepatitis C virus-related hepatocellular carcinoma
石原 幸子
1
,
長坂 武
1
,
木花 光
1
Sachiko ISHIHARA
1
,
Takeshi NAGASAKA
1
,
Akira KONOHANA
1
1済生会横浜市南部病院皮膚科
1Depertment of Dermatology,Saiseikai Yokohama City Southern Hospital
キーワード:
表在播種型汗孔角化症
,
C型肝炎ウイルス
,
肝細胞癌
Keyword:
表在播種型汗孔角化症
,
C型肝炎ウイルス
,
肝細胞癌
pp.579-581
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412101267
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73歳,女性.4年前よりC型肝炎ウイルス(HCV)抗体陽性の肝硬変,4か月前に肝細胞癌(hepatocellular carcinoma:HCC)を発見され,加療されている.2年前より出現した自覚症状のない大豆大までの角化性環状褐色斑を非露光部を含むほぼ全身に多数認め,表在播種型汗孔角化症(disseminated superficial porokeratosis:DSP)と診断した.近年,HCV(+)患者,なかでもHCC発生患者においてDSPが認められたとの報告が相次いでいる.HCC患者例ではいずれも皮疹出現後にHCCが発見されており,HCV(+)患者でDSPが発症した場合は,HCCの発生を常に念頭に置くべきである.免疫抑制状態の患者に汗孔角化症が生じることが知られており,HCVによる肝炎,肝硬変さらにはHCCへの進行過程における何らかの免疫機構の異常がDSPの発症に関わる可能性が示唆される.
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