Japanese
English
症例報告
Gibertばら色粃糠疹軽快後に出現した慢性色素性紫斑様皮疹
Purpura pigmentosa chronica-like eruption secondary to resolution of pityriasis rosea Gibert
満山 陽子
1
,
稲岡 峰幸
1
,
早川 和人
1
,
塩原 哲夫
1
Yoko MITSUYAMA
1
,
Miyuki INAOKA
1
,
Kazuhito HAYAKAWA
1
,
Tetsuo SHIOHARA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology,Kyorin University School of Medicine
キーワード:
Gibertばら色粃糠疹(PR)
,
慢性色素性紫斑(PPC)様皮疹
,
HHV-7
Keyword:
Gibertばら色粃糠疹(PR)
,
慢性色素性紫斑(PPC)様皮疹
,
HHV-7
pp.785-788
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100992
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20歳,男性.初診の約1か月前から軀幹に皮疹が出現し,その後上肢に拡大したため,近医を受診しGibertばら色粃糠疹と診断された.初診の数日前にその皮疹はほぼ消退したが,同時期より両下腿に紫斑が出現した.当科初診時,両下腿に粟粒大の紫斑が多発,融合し,一部環状を呈した.組織学的には表皮へのexocytosisを示す真皮上~中層の血管周囲性リンパ球浸潤に加え,赤血球の血管外漏出を認めた.臨床,組織所見,経過より慢性色素性紫斑様皮疹と診断した.Gibertばら色粃糠疹が先行したことより全血中のHHV-6,7DNAをreal-time PCR法で経時的に検討したところ,HHV-7のコピー数は初診時にピーク(1.0×103/106)を示し,以後徐々に減少した.一方,同時に検索したほかのウイルスの抗体価,全血中のDNAに有意な変動は認めなかった.これらの結果から,HHV-7の再活性化がGibertばら色粃糠疹と慢性色素性紫斑様皮疹の両者に関与していた可能性が推測された.
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