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特集 最近のトピックス2004 Clinical Dermatology 2004
5.皮膚科医のための臨床トピックス
円形脱毛症の新しいタイプ(ADTAFS)
A new subtype of alopecia areata-ADTAFS
川村 真樹
1
,
相場 節也
1
Maki SATO-KAWAMURA
1
,
Setsuya AIBA
1
1東北大学大学院医学系研究科内科病態学講座皮膚科学分野
1Depertment of Dermatology,Tohoku University Graduate School of Medicine
キーワード:
円形脱毛症
,
びまん性脱毛
,
全頭脱毛
,
急性脱毛
,
好酸球
Keyword:
円形脱毛症
,
びまん性脱毛
,
全頭脱毛
,
急性脱毛
,
好酸球
pp.167-170
発行日 2004年4月1日
Published Date 2004/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100673
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円形脱毛症のなかで,急性びまん性に脱毛して全頭脱毛に至るがすぐに生えて治癒する例が経験されることがあるが,過去には詳しい記載がなかった.それらに共通する特徴をまとめ,acute diffuse and total alopecia of the female scalp(ADTAFS)として分類した.ADTAFSの最大の特徴は共通する臨床経過と予後が良好ということで,その経過とは,平均3カ月で全頭脱毛に至るが,それと同時期に新しい終毛が生え始め,平均6カ月で略治に至るというものであり,当科経験例では12/14例が治癒した.さらに,生検組織で他の病型と比較し,より多くの好酸球浸潤の所見や,女性優位を認める.ステロイド全身投与でもびまん性脱毛の進行は止まらないが,一方,ステロイド外用のみにても治癒に至り,現時点では,治療法の違いで経過および予後に差は生じず,予後良好な病型と思われる.
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