Japanese
English
症例報告
Superficial mucoceleの1例
A case of superficial mucocele
原藤 玲
1
,
鈴木 洋介
1
,
谷川 瑛子
1
,
天谷 雅行
1
,
田中 勝
1
Rei HARATOH
1
,
Yosuke SUZUKI
1
,
Akiko TANIKAWA
1
,
Masayuki AMAGAI
1
,
Masaru TANAKA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Depertment of Dermatology,Keio University School of Medicine
キーワード:
superficial mucocele
,
mucous cyst
,
扁平苔癬
,
単純ヘルペス
,
瘢痕性類天疱瘡
Keyword:
superficial mucocele
,
mucous cyst
,
扁平苔癬
,
単純ヘルペス
,
瘢痕性類天疱瘡
pp.157-159
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100414
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69歳,女性に生じたsuperficial mucoceleの1例を報告する.頬粘膜に出没を繰り返す緊満性小水疱と周囲に扁平苔癬様の白色線条を認め,瘢痕性類天疱瘡を疑われ加療されていた.組織学的に粘膜上皮内および上皮直下の裂隙と,それに連なる唾液腺導管の拡張を認めたが,扁平苔癬の所見はなかった.蛍光抗体直接法・間接法はともに陰性であった.本症はmucous cystとは好発年齢や部位に差があり,自然消退・再発を繰り返すが,外科的治療は必要としない.現在,扁平苔癬など何らかの機序により粘膜上皮の変性や炎症が起こり,導管内圧が上昇して浅在性の水疱を生じる可能性が考えられているが,病因はいまだ不明である.本症の皮膚科領域での報告はなく,単純ヘルペスや扁平苔癬,瘢痕性類天疱瘡などと診断されている可能性もある.口腔内に再発,自然消退を繰り返す小水疱をみた場合,本症も念頭に置く必要がある.
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