Japanese
English
症例報告
慢性膵炎に伴った皮下結節性脂肪壊死症の1例
A case of subcutaneous nodular fat necrosis with chronic pancreatitis
行徳 英一
1
,
真田 聖子
1
,
数田 泰治
1
,
高路 修
1
Eiichi GYOTOKU
1
,
Seiko SANADA
1
,
Yasuharu KAZUTA
1
,
Osamu KORO
1
1県立広島病院皮膚科
1Division of Dermatology,Hiroshima Prefectural Hospital
キーワード:
脂肪壊死
,
pancreatic panniculitis
,
stasis panniculitis
,
sclerosing panniculitis
,
lipodermatosclerosis
Keyword:
脂肪壊死
,
pancreatic panniculitis
,
stasis panniculitis
,
sclerosing panniculitis
,
lipodermatosclerosis
pp.153-156
発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100413
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74歳,女性の両下腿内側に生じた皮下脂肪壊死症の1例を報告した.臨床的には,同部に紅色から褐色の皮下硬結を認め,軽度の圧痛,熱感を伴っていた.両下肢には静脈瘤がみられた.組織学的には脂肪組織の変性および壊死像を示し,周囲には肉芽組織の形成,真皮では内腔の拡張を示す脈管を認めた.血清アミラーゼ,リパーゼ,トリプシン,エラスターゼΙが高値であり,慢性膵炎の合併が認められ,その治療により皮疹は徐々に軽快した.われわれは自験例の病態は主として慢性膵炎により生じた皮下脂肪壊死であると考えたが,皮疹の部位や静脈瘤,不全交通枝の存在,真皮における血管やリンパ管の拡張などの所見から,慢性的な静脈うっ滞も関与していたものとみなすのが適当と考えた.
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