Japanese
English
原著
表皮に異型性のある角化細胞が出現する良性疾患の病理組織学的検討―縁取りサイン
The histopathological analysis of benign diseases those had histopathological findings named ‘frame sign’
村澤 章子
1
,
木村 鉄宣
1
Shoko MURASAWA
1
,
Tetsunori KIMURA
1
1札幌皮膚病理研究所
1Sapporo Institute for Dermatopathology
キーワード:
縁取りサイン
,
frame sign
,
異型細胞
,
角化細胞
Keyword:
縁取りサイン
,
frame sign
,
異型細胞
,
角化細胞
pp.473-476
発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100176
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要約
ウイルス性疣贅,尋常性乾癬,慢性単純性苔癬,結節性痒疹,扁平苔癬,再生上皮(潰瘍や水疱性疾患などに伴う)では,病理組織標本上,表皮基底層1層あるいは基底層とその上2~3層にわたり,角化細胞がクロマチンに富み,密に配列する所見がみられ,顕微鏡弱拡大像では,これらの細胞が表皮を縁取り,囲んでいるようにみえる.われわれはこの所見を縁取りサイン(frame sign)と命名した.縁取りサインは,表皮の角化細胞の増殖・分裂が亢進しているために出現する所見である,とわれわれは推測している.病理組織診断上,縁取りサインを呈する良性腫瘍や炎症性疾患を認識しておくことは,特に悪性腫瘍との鑑別に重要である.
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