Japanese
English
症例報告
甘草によるアナフィラキシーの1例
A case of anaphylaxis due to “kanzou”.
里 博文
1
,
瀬戸 英伸
1
Hirofumi SATO
1
,
Hidenobu SETO
1
1愛仁会高槻病院皮膚科
1Department of Dermatology,Aijinkai Takatsuki Hospital
キーワード:
甘草
,
生薬
,
ニューカイテキZ(R)
,
アナフィラキシー
Keyword:
甘草
,
生薬
,
ニューカイテキZ(R)
,
アナフィラキシー
pp.242-244
発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412100064
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要約
31歳,男性.感冒にてニューカイテキZ (R)を内服したところ,10分後に膨疹が出現し,全身熱感,呼吸困難感を自覚した.意識混濁も認めたが,放置していた.翌日近医にてアナフィラキシーと診断された.その後も同薬剤の空き袋を洗浄中に全身の膨疹が再燃し,自然軽快した.スクラッチテストにてニューカイテキZ (R)および含有成分である甘草に陽性所見を認めたことにより,甘草によるアナフィラキシーと診断した.甘草の主化合物であるグリチルリチンに対するスクラッチテストは陰性であり,甘草に含まれるグリチルリチン以外の化合物によるアナフィラキシーであると考えられた.甘草の薬疹の報告は,自験例を含めても本邦で3例しか認められず,まれと考えられた.
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