特集 高齢者の耳鼻咽喉科・頭頸部疾患—治療とリハビリのてびき
2.高齢者の平衡障害
③加齢と揺らぎ
中野 博孝
1
,
高橋 正紘
2
1小野田市立病院耳鼻咽喉科
2山口大学医学部耳鼻咽喉科学教室
pp.53-57
発行日 1998年4月30日
Published Date 1998/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411902697
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
人は加齢とともに,日常的機能の低下を免れない。耳鼻咽喉科領域でも患者の高齢化に伴い,ふらついたり転びやすくなったという訴えが外来診療でしばしば聞かれる。高齢者では,揺らぎの増大により転倒して骨折を起こすと寝たきり状態になり,痴呆が進行したり,しばしば社会生活に復帰ができなくなってしまう。これまで様々な手法で加齢による揺らぎの変化が調べられ,その対策が報告されてきた1〜3)。しかし起立姿勢を変えて重心を調べ,その動揺の性質から加齢に伴う揺らぎを報告したものは少ない4〜5)。
ここでは起立条件を変えて揺らぎの大きさを測定し,加齢による揺らぎの性質を明らかにした。さらに高齢者の転倒予防の対策を考えた。
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.